INSSモノグラフNo.1 原子炉容器鋼の照射組織変化
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(株)原子力安全システム研究所価格:2,728円(税別)
- 編 集
(株)原子力安全システム研究所 - 執筆者
福谷 耕司 (原子力安全システム研究所 技術システム研究所)
大野 勝巳 (元原子力安全システム研究所 技術システム研究所)
中田 早人 (原子力安全システム研究所 技術システム研究所) - 原子炉容器は発電所の安全性を確保する上で最重要機器のひとつであり長期にわたり健全性を確認しなくはならない機器である。原子炉容器に使用されている低合金鋼は中性子照射を受けて照射脆化が生じるが、脆化の進行は監視試験により監視されており、将来については脆化度を予測し破壊力学的評価により脆性破壊が生じないことを確認している。照射脆化は中性子照射により材料の内部に引き起こされる微視的な金属組織の変化が原因であり、ナノメートルサイズの極めて微細な変化である。
長期運転した時の原子炉容器鋼の脆化を精度良く予測するためには、組織がどのような機構で生じ脆化を引き起こすかを解明していくことが望まれる。このためには、基礎的な材料研究とともに、実際に原子炉内に置かれた材料のミクロ組織変化を定量的に調べることが重要である。幸い、材料分析技術が近年進歩し、従来は不可能であったナノスケールのミクロ組織分析が可能となってきている。
本書は、株式会社原子力安全システム研究所が1996~2000年度にかけて実施した、加圧水型原子炉の監視試験片および研究炉照射材のミクロ組織変化に関する研究をとりまとめたものである。実機鋼材の分析例は世界的にも稀であり、実際の発電所の健全性を確認する上で重要なものであるとともに、照射効果の理解を深める上でも役立つものと考えている。今後のこの分野の研究における基礎データとして活用されることを期待している。
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